医薬品といってもいくつかのカテゴリーに分類されます。様々な切り口がありますが、この記事では薬機法の観点から医療用医薬品と一般用医薬品に分類して紹介します。
目次 非表示
医薬品の分類
医薬品はいくつかの種類に分類されます。ドラッグストアで買える薬や病院を受診して処方箋をもらわない薬など、医薬品の安全性の面から厳重に管理されているものや気軽に購入できるものなどに分かれています。
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づくと以下のように分類されます。
一般用医薬品
医療用医薬品
この他に体外診断薬(医家向け臨床検査用の試薬)と原料その他(医薬品の製造原料・小分け用製剤、自社製品他社販売品等)があるよ
一般用医薬品は、薬局、ドラッグストア等で入手できる医薬品のことです。
テレビ、インターネット等のメディアで広くプロモーションがされているため、一般の消費者によく知られた製品が多く身近な医薬品です。また、それを販売している製薬会社の知名度も高いことが多いです。
ドラッグストア等で自由に購入できて、自分の判断で使用することができるため、長年の使用実績があり安全性が十分に確保できた成分のみが含有されるものが多いです。
医療用医薬品は、医家・調剤薬局向けの医薬品で、いわゆる処方薬と言われます。病院を受診し、医師の処方を受け、患者が病院や調剤薬局で入手する医薬品のことを言います。消費者は、医師の処方箋なしで医療用医薬品を直接購入することはできません。
また、医療用医薬品は、メディアで商品名、効果・効能などについて広告することができないため、一般用医薬品と比べると消費者にはほとんど知られていません。しかしながら、売上高では医薬品市場の90%近くを医療用医薬品が占めています。
医薬品開発の主戦場は医療用医薬品です。
さらに医療用医薬品は新医薬品と後発医薬品に分類することができます。
一般用医薬品
医療用医薬品
・新医薬品・・・既承認薬と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が明らかに異なる医薬品
・後発医薬品・・・新医薬品と同じ有効成分で品質、効き目、安全性が同等な医薬品
新医薬品は製薬会社により初めて世に出された薬のことです。
後発医薬品は既に承認されている医薬品と有効成分が同じで、投与経路(注射 皮下注/静注、経口投与など)、用法、効能及び効果が同じ医薬品のことを指し、ジェネリック医薬品とも呼ばれています。通常、新医薬品である既承認医薬品の再審査期間終了後に特許による独占販売期間が終わってから、別のメーカーから後発医薬品が市場に出されます。
医療用医薬品の市場規模は11兆円
日本の医療用医薬品の市場規模は11兆円(令和2年医薬品・医療機器産業実態調査より)を超えておりととても大きな市場です。
その中で新医薬品は92.7%、後発医薬品は7.3%の売上を占めています。
一般に新薬メーカーが行う新薬開発と呼ばれるものは、医療用医薬品の新医薬品の研究・開発のことを指します。
大きな市場ですが、新薬開発には1千億円単位の資金と十数年単位の期間がかかると言われており、一つ当たれば大きいですが失敗すると損失も大きいハイリスク・ハイリターンのビジネスです。
成功するか失敗するかの要になるのが医薬品開発で、そのプロセスやその仕事の詳細については改めてご紹介します。
まとめ
医薬品を分類すると、大きく一般用医薬品、医療用医薬品に分類されます。一般用医薬品はOTCと言われるものやドラッグストアで購入できるものです。医療用医薬品は医師の処方箋が必要でより厳重に管理される医薬品です。
医薬品の市場規模は11兆円でその大半を医療用医薬品が占めており、当たれば大きなビジネスですが、新薬開発には莫大な資金と時間を要すため大きなリスクも伴います。リスクをいかに最小化して、開発を進めるかも製薬メーカーの腕の見せ所で、製品化された際にはとても大きな喜びを味わえるのもこの仕事の魅力です。